グランピングブームですか

JD

2016年07月15日 12:34

今年に入ってグランピングという言葉がテレビからもよく聞こえてくるようになりましたよね。

ホテルや自治体、旅行会社がグランピングに目を付けて、こぞって参入を企てているみたいです。



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グランピングとオートキャンプについて考えてみました。

文字ばかりなので、読むのが面倒くさいぞ!と思った方は、スルーしてください。


GLAMOUR,GLAMOROUS(魅惑的な) と CAMPING(キャンプ) をかけ合わせた造語がGLAMPINGというのはみなさんご存じですよね。




元々は砂漠、ジャングル、海辺、サバンナ、高原、山岳地帯などの大自然の中で、普段の生活と変わらない便利な近代設備に、床はラグ、ベッドには快眠間違いなしの寝具がセットされたテントやキャビンでゴージャスなキャンプを楽しむものとして始まったのが起源です。

世界規模でグランピングを見てみると、宿泊施設自体はキャビンやロッジ、コテージ、農場のゲストハウスなんて建物系から、キャンピングトレーラーやティピー、テントなどの移動系まで様々。
でも立地は日本とはスケールの違う自然がいっぱいなところがほとんどですね。


日本ではグランピングに目が向けられ始めたのがここ2年くらいでしょうか。
まだ定義がかなり曖昧でゴージャスなキャンプというイメージだけが先行しているようです。

最近はホテルや旅行会社がグランピングを新しい旅のトレンドとして捉えているみたい。

流行のベルテントを常設テントとして設置して、食事付きでグランピングと銘打っているところも全国で増えているようです。

お値段はいかにも"グランピング"っぽい価格ですが、
内容はまだ
「手ぶらキャンプ」
に食事が付いた程度というところが多いようです。
(ちょっいとゴージャスですが)

ホテルが集客のためにブームに乗ってグランピングを商品化するのもわかりますが、キャンパーをメインターゲットにするのはどうも無理がありそうに感じます。

そもそもキャンパーがキャンプをする理由。
(注釈:JDの思考レベルですからありきたりです)


自然の中で過ごせる
家族や仲間と一体感を感じられる
キャンプのムードが好き
お気に入りのギアを揃えて持っていくことに楽しみと悦びを感じる
(ギアの購入費用は別として)宿泊費を抑えて旅情が味わえる

最後の宿泊費を抑えるというのは重要でしょう。
キャンプを回数こなすにはこの条件が満たされてこそ実現できるわけですしね。

ホテルグランピングの提供価格はひとり最低でも15000円程度。子供が半額だとしても4人家族なら1泊45000円になってしまいます。
キャンプなら1泊約5000円プラス食費5000円程度。(食費は更に安く済むこともあれば、良いモノを食べればもっと高くなるとは思います)

2泊3日でホテルグランピングすれば9万円以上要しますが、キャンプなら2万円。
キャンプに初期投資は必須ですが、自分のお気に入りの道具を揃えていく作業が苦痛なキャンパーはほとんどいないハズです。
なのでここは単純に現地支払額の差だけでおよそ7万円の差があると考えましょう。
(もうこの時点で「7万あれば幕買えるじゃん!!」と考えるのがキャンパー一般の考え方のような・・・)

家族が満足できる2万円のキャンプに慣れたキャンパーが、
9万円のホテルグランピングを同じ種類のキャンプとして齟齬理解することはまず無理がありますよね。

一方でホテル泊の旅行として捉えれば、家族4人で2泊3日9万円は許容範囲なのでしょう。
つまりキャンパー目線で見ると高額すぎて使う意欲が沸かない、ホテル客目線であれば(設備次第で)無難な価格設定と見えるのかも知れません。

設備次第というのは、日本のホテルが提案するグランピングでテント泊の施設は、
真夏の熱帯夜の空調は???
虫だらけの自然環境での快適性の確保は???
キャンプ場が提供する手ぶらキャンプとの明確な差別化はされてるの???
などの問題をどのように対策しているかまだ未知数な部分が多そうです。

ホテル泊の客層に対して「暑い」「虫だらけ」「安っぽい」では高額なホテルグランピングにお金を出すとは思えません。
そういうのには慣れっこのキャンパーでも、利用価格が高くてはやはり意欲が沸きません。

キャンプ業界の人から聞いた話では、最近ホテル(や一部キャンプ場)が眠らせている敷地にグランピング設備を設けたいという要望が増えているそうです。
同時に狙いの客層を決めきれていない混乱ぶりも必ずセットで聞こえてきます。

グランピングを提供すればキャンパーが客として来てくれる、キャンプの経験はないけど興味を持っていた人が客として来てくれる、そういう思いこみがあるようです。

キャンパーさんの多くは『1度くらい泊まってみてもいいかな』くらいの感覚じゃないでしょうか。
恐らく1泊何万も払ってまでホテルグランピングに行ったり、普段のオートキャンプにも行ったりする両立型の方は希のような気がします。

ホテルが目指すグランピングはメインターゲットとなる客層に合わせた設備の充実を図らなければ、どっちつかずの
「中途半端なパラダイス」
で不発に終わる可能性も否めないように感じます。
建物を建てるよりテントで客寄せした方が安上がりで高収益と勘違いされているホテルもあるそうですから・・・

やっていることは「キャンプ」でもホテルが理想とする客層オートキャンパーは別物といっても過言ではない、
それぐらいに理解しておいてもらう方が無難なんじゃないかな、と思うのでした。

先述のキャンプ業界の方が
「"グランピング"というワードは数年後には誰にも使われなくなるかもよ」

ボソッと口にしたのが忘れられません。

ホテルグランピングはそれはそれとして日本でも根付いてもらいたいものですが、

オートキャンパーは好みのキャンプギアを揃え、それを持ってフィールドに出て行くことで、その人なりのグランピング(魅惑的なキャンプ)になっていれば良いような気がするのは私だけでしょうか。


三重のエバーグレイスさんのように、かなり前から一部のサイトでグランピングスタイルを作り上げているキャンプ場もあるわけで、オートキャンパーとホテルやキャンプ場のグランピングが必ずしも融合できないというお話ではありません。
エバーグレイスさんは、かつてアメリカ最大のキャンプ場ネットワーク「KOA」の日本で数少ない加盟キャンプ場だっただけあって施設のアメリカナイズ度が半端ないですし、KOAの厳しい基準で造られたというベースがあるのも完成度の高いグランピングを提供されている理由のひとつなのかも知れませんね。


このエントリーの内容はJDの主観ですから一般的な考え方とかなりズレている可能性も否定できません(笑)
あくまでもJDの戯言とご理解いただけると幸いでございます



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